Webサイトを運営していて、サービスプロバイダーの変更やレジストラの変更の際に発生する、DNSサーバーのお引っ越し。その手順とDNSの浸透問題について。

DNSサーバーの引っ越す際の目的は2つ。

(1)”インターネット上の各キャッシュDNSサーバー”が
名前解決要求をする際、引っ越し先の権威DNSサーバー(新DNS)に向けさせる

(2)”インターネット上の各キャッシュDNSサーバー”に、新DNSの情報を提供する

(1)は、引っ越し元の権威DNSサーバー(旧DNS)に名前解決の要求を出すのではなく、
新DNSに向けさせたいという話で、
(2)は、キャッシュされている旧DNSの情報ではなく、新DNSの情報をいち早く提供したいという話。

(2)に関して、引っ越しの手順を間違えてしまうと、キャッシュDNSサーバーに”旧DNSの情報が消えずに残り続けて”しまいます。その状態を”DNSの浸透問題”と呼んでいるケースが多いらしいけど、正しい手順を行えば回避可能。

※ただし、正しい手順で引っ越したとしても、即時反映ではなく、「旧DNSの情報の消去」を待つ時間は発生する。

実際の引っ越しはこんな感じでやりましょう。

(a)引っ越し元の情報
権威DNSサーバー:ns01.carp.com.
グローバルIP:192.0.1.1

(b)引っ越し先の情報
権威DNSサーバー:ns01.ohsexybaby.com.
グローバルIP:192.0.1.2

①aのns01.carp.com.のゾーンデータを、bの情報に書き換える
②親の権威DNSサーバーに登録している委任情報を、bの情報に書き換える
③a,bのDNSサーバーを並行運用
→aのns01.carp.com.のTTLの指定時間が経過するまで
→親の権威DNSサーバーのTTLの指定時間が経過するまで
④aのns01.carp.com.を停止

この手順のうち、①をやらないと、既にキャッシュされた、ns01.carp.com.がいつまでも応答に使われてしまい、結果的に、192.0.1.1のWebアプリやらコンテンツが表示されちゃうので要注意。